No.10
本日の例会
2009年9月8日(火)第2390回
ロータリーソング 我等の生業
献立 米山ミール
委員会事項 結婚記念日御祝
卓話 「次世代を育てる母乳」
    本家勇子さん

次週の例会
2009年9月15日(火)第2391回
ロータリーソング 鳥取北RCの歌
献立 和食
委員会事項 創業記念日御祝
卓話 鳥取商工会議所
   専務理事 坂出 徹 氏
※9/22(火)は休会

先 週 の 例 会
2009年9月1日(火)

会長挨拶(霜村前会長代行)
 皆様今日は、今日は田邉会長は沖縄八重山方面で福石副会長は中国内モンゴル方面に海外出張です。急遽私が御挨拶をさせて頂きます。
 さて九月に入りまして朝夕の気温が本当に涼しく感じられるようになりました。とりわけ寒さを感じられたのは自民党の先生方ではないでしょうか。結果は予想通りで、小泉さんのお蔭で4年間の延命治療でしたが、55年体制を維持して来た自由民主党が55年振りに第一党の座を民主党に明け渡す事になりました。
 当にマスコミの予想の通りでしたが、落選の理由を聞かれた大阪18区の中山太郎氏は「その原因はマスコミのあなた方のせいだ!」と叫んでいました。大物議員の大量落選後の比例復帰を見ると、いっそ早い時期に、思い切って総理大臣経験者全員が引退表明されていたら、それなりの勝負ではなかったかと、そんな風にも思った選挙結果でした。
 ともあれ、政治に携わる方々は常に謙虚であらねばならないことを今回ほど感じた選挙はありませんでした。

幹事報告
A)到着文書
 1)ガバナー事務所
  ・公式訪問のお礼
  ・地区ローターアクト委員会のお知らせ
   (10/25 米子)本家勇子さん
 2)鳥取県臓器バンク
   臓器バンクだより8月号と移植医療を考える講演会とコンサートのご案内(11/3)
 3)鳥取県
   新型インフルエンザセミナーのご案内
   (9/8)午後1:30〜4:00
 4)国際ロータリー
   ザ・ロータリアン9月号
   ロータリーワールド7月号
 5)鳥取中央ロータリー
   クラブ運営計画書・週報
 6)岡山東ロータリー 40周年記念誌
B)例会変更
  ・鳥取西ロータリー
   2009/9/18(金)休会 ビジター受付なし
  ・倉吉中央ロータリー
   2009/9/16(水)夜間例会 ビジター受付
   定刻事務所
   2009/9/23(水)休会 ビジター受付なし
C)報告事項
  ・例会後定例理事会 VIPルーム

委員会報告
◎出席率報告
9月1日 会員51名中欠席10名 80.39%  
8月18日 補正後欠席7名 86.27%  
◎地域奉仕委員会より
「鳥取砂丘一斉清掃」のお知らせ
期日 9月27日(日)8時45分より受付開始
多数の参加者をお願いいたします。

ビジター
鳥取中央RC 岸野 優さん

メークアップ
8/26 倉吉中央RC 坂根 徹さん
8/27 米子中央RC 貞永 智さん 村田誠治さん
8/28 鳥取西RC  霜村哲男さん 村田誠治さん
8/31 鳥取中央RC 村上保雄さん 道上正矢見さん

スマイル報告(本日 7,000円 累計 157,000円)
岸野 優さん(鳥取中央RC)お世話になります。
霜村哲男さん 会長代行で挨拶をし、久々に緊張しました。病院長の話を良く聞いて、風邪をひかない様に緊張して過します。
植田哲朗さん 田中病院長さん、本日の卓話ありがとうございます。
竹田達夫さん この度の衆議院選挙で、少し嬉しい事が有りました。
岡森 裕さん(8/25) 前回の夜間例会は、漁火のすばらしいながめの中、私の歓迎の場を設けて頂きありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
早退 1件

卓話
講師:田中紀章先生
   鳥取市立病院病院長
   鳥取市病院管理者
講師略歴:
昭和43年 岡山大学医学部卒業 第一外科に入局
平成 8年 岡山大学医学部教授(外科学第一講座)
平成19年 岡山大学大学院医歯薬総合研究科 科長
平成21年 鳥取市病院事業管理者兼鳥取市立病院病院長
専門:
臓器移植、腫瘍外科、遺伝子治療、緩和医療
演者紹介:岡山大医学部第一外科教授に就任後、生体肝移植のチームを立ち上げ、現在までに226例の肝移植手術実績を持つ肝移植センターに育てた。鳥取大学医学部附属病院での肝移植手術も演者のチームの指導支援で行われた。
 演者は臨床医であるが同時に遺伝子治療学の分野で「癌治療」「癌の早期発見」について優れた研究業績を持つ研究者でもあります。本日ご講演をいただく内容に最近の業績であり、世界的な米医学雑誌「ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティチュート」の8月号に掲載されたものです。(文責 田中 彰)
「胃大腸癌の早期発見の新技術について」
 ―大腸がん検診の新技術―
 日本人の死因のトップはがんで、過去30年にわたり、日本人の死因の第1位であるとともに、いまなおその数は増加している。これに対し「がん対策推進基本計画」は「がん検診の受診率を年以内に50%以上にする」という目標を掲げ、検診による早期発見を目指している。初期のがんには、ほとんどの場合自覚症状がなく、がん検診の普及拡大が、がんによる死亡者を減らすことにつながると考えられるからである。しかし、内閣府の「がん対策に関する世論調査」によると、ほぼ95%の方が「がん検診は重要と思う」と回答する一方で、「今まで受けたことがない」との回答が半分を占めており、このことを裏付けるように、日本での検診受診率は20%弱と、欧米の3分の1以下の水準である。
 がん検診は、昭和35年頃、宮城県で胃がんのX線検診を巡回検診したことに始まり、その後は老人保健法に支えられ、現在は、市区町村が独自の判断で検診事業を行っている。市区町村が定期的に実施しているがん検診は、胃がん、大腸がん、肺がん、子宮がん、乳がんです。対象年齢等の条件を満たしていれば誰でも受診の資格がある。
 大腸がんは、近年増加傾向にあり、がんの部位別死亡率では、男女共に高い方から第3位となっています。50歳過ぎから増加しはじめ、高齢になればなるほど多くなるのが特徴である。大腸がんの本当の原因はまだ明らかになっていないが、食生活との関連は間違いなくあると言われている。2〜30年前から日本人の食生活は欧米化しており、欧米風の食事の特徴である高脂肪、高蛋白、かつ低繊維成分の食物が大腸がんの発生と関係があると考えられている。また、遺伝的な原因も認められており、すべてのがんは、いくつかの遺伝子の異常が重なることによって発生するものと考えられる。大腸がんの中には、「家族性大腸ポリポーシス」と「遺伝性非ポリポーシス大腸がん」という2つのがん遺伝家系があり、がん発生の原因となる遺伝子も見つかっている。また、そのような家系でなくても血縁者でがんになった人がいる場合には、そうでない人より遺伝子に異常が起こりやすいと考えられる。
 大腸がんは早い時期に発見できれば、ほぼ100%治ると言われており、早期発見が大切だということは言うまでもない。大腸がんの症状としては、血便(便に血が混じる)、下血(肛門から出血する)、便通異常(便秘、下痢、便秘と下痢を繰り返す)、便柱狭小(便が細くなる)、残便感(便が出きらない感じ)、腹痛、腹部膨満感、腹部のしこり、貧血、吐き気などがあるが、これらはいずれも進行がんの症状であり、早期の大腸がんには、ほとんど症状はない。多くの大腸がんは、腺腫という種類のポリープから発生すると考えられ、便潜血検査は、便ががんやポリープなどの表面と接触することによってできた、目に見えない出血の有無を調べ、がんを発見するきっかけを作る。以前は食事によっては血液と同じ反応が出る時があるので、検査の前に食事制限が必要でしたが、最近では人間の血液だけに反応し、特別な食事制限を必要としない簡単な便潜血テストが開発され用いられている。しかし、ポリープを経ずに正常な粘膜が直接がん化する場合もあり、便潜血検査だけでは早期がんを見つけるのは困難で、がんの見逃し率37%という報告もある。
 私たちは過去5年間にわたって検便による新しいがんの診断法の開発を行い、最近ようやくその成果をまとめたところである。がんの原因は遺伝子の変化の重なりにあると考えられるが、特にがん抑制遺伝子の発現低下が問題で、その原因としては遺伝子の発現をコントロールするプロモーターのメチル化が普遍的な原因と考えている。
 一方、消化管粘膜の細胞は24時間から48時間という短い期間で生え替わり、死んだ細胞は腸管内に剥落していく。この際、正常な細胞の遺伝子であるDNAは酵素の働きで細断されるが、がん細胞にはその働きがなく、がん細胞の遺伝子情報は便中においても保たれ、PCRという方法で増幅、検出することができる。これが便中のヒトDNAのメチル化を検出することでがんが診断できる理論的根拠である。
 2009年8月21日のアメリカの学術雑誌Journal of National Cancer Instituteに掲載された私たちの論文ではこの新しい技術を用い、二つの遺伝子のメチル化を測定し、大腸がんの75%、胃がんの57%を検出した。この新しい方法は、胃がん、大腸がんのいずれにおいても、見えないがん、早期のがんを検出する能力があり、がん診断のイノベーションと考えている。
(担当 田中 彰)