Area.20(H1) 軽くて重い決意 【Bタイプ】

 

窓に向かって座ると正面に木がある

その木に花が幾輪か咲いていた

きのうもここに座って外を見た

もちろんきのうも花は咲いていた

同じ場所で晴れの日と雨の日の空を見る時のように

知らず知らず同じ木だってわかってる

でも、ふとわれにかえってみると

咲いている花がきのうとは違う

きのうの花は…?

木の下へ行ってみた

いくつかは、きのうの場所で無残な姿になり

そしていくつかは、木の下で姿をかえていた

さっき僕はあそこでこの木のことをきれいだって思った

きのうきれいだって思った君はここにいたんだね

こんな目立たないところに…。

正直言うと僕はそんなみすぼらしい姿になりたくないんだ

でも別にほんの一瞬だけでもいいから、

君のように、いつかどこかで輝いてみたくなった