■「グワジン級」のことver.1.01


起工順 艦名 艦体番号 所有 略歴 出典
1番艦(註1) グレートデギン デギン公王 ソーラ・レイで消滅 めぐりあい宇宙・TV版
2番艦 グワメル
テスト中に分解(註2) 『GUNDAM CENTURY』
3番艦(注3) グワジン BB−38 キシリア少将 「ア・バオア・クーの戦い」で轟沈 『MS大図鑑一年戦争編』
『戦略戦術大図鑑』

グワラン(註4) ドズル中将 「ソロモンの戦い」に参加(註5) めぐりあい宇宙・TV版
5番艦 アサルム マ・クベ大佐 「ア・バオア・クーの戦い」に参加 『最後の赤い彗星』
6番艦 グワデン
「ア・バオア・クーの戦い」に参加 CDシネマ「ルンガ沖砲撃戦」

グワリブ

「グワジン」とともにグラナダを出港 TV版

グワバン


『MS大図鑑アクシズ戦争編』

グワダン(註6)




ズワメル(II)

終戦時にグラナダを出航 『MSV3 連邦軍編』

ギドル

ソーラレイ指揮艦 『小説版』

*ガンドワ


『小説版』

註1.BANDAI刊『機動戦士ガンダムMS大図鑑一年戦争編』、ホビージャパン社刊『一年戦争史』等にみられる「グレートデギン=1番艦」説には疑問がある。論拠が明確でないうえに、それまでのコンセンサスに反する内容から、いたずらに混乱を招く原因となっているからだ。
 そもそも、古くは「GUNDAM CENTURY」の記述でも、「グワジン」を特に1番艦とは断定していないが、まず「グワジン」について触れ、次に2番艦「グワメル」について解説、その後、同型艦として「グレートデギン」「グワラン」「グワリブ」を一まとめに紹介している等、ネームシップについてことさら記述する必要がなかったから敢えて触れなかっただけのように読みとれる。が、ここでは公式出版物で確認された説として「グレートデギン=1番艦」説を採用する。
 これは、世間でよく言われるような「ネームシップ=絶対に1番艦」説にはさらに問題があるからにほかならない。試みに雑誌「世界の艦船」等を開いてみてほしい。ネームシップと1番艦は意外と対応していないことに気が付かれるだろう。1番艦として起工したものの、作業の遅れから竣工・就役は同型艦に譲ったものなど、そこにはさまざまな例が散見されることと思う。なによりも「ペガサス級」と「ホワイトベース級」の混乱がこれと同様の原因から生じたものであることが「模型情報」に掲載されているではないか。
 ここでは、起工時艦名未定(「G級」とでも称したのだろうか)の1番艦(後の「グレートデギン」)に続いて2番艦、3番艦が建造されたが、公国軍総旗艦として通信機器、内装などを強化したため1番艦の竣工が遅れ、結果的に3番艦が最初に就役した。そのため3番艦が「グワジン」と命名され、ネームシップの栄誉を賜った。という解釈で通させていただく。

註2.『機動戦士ガンダムMS大図鑑一年戦争編』では、「なお、2番艦は行方不明である。(小惑星基地アクシズに逃げたという説もある)」としているが、実際にアクシズへ逃亡していれば『GUNDAM CENTURY』の記述と著しく矛盾する。幸い「〜という説もある」という曖昧な記述に終始しており、ここでは「実際には極秘テストの際に失われていたが、対外的には公表されなかった」と解釈させていただく。

註3.『機動戦士ガンダムMS大図鑑一年戦争編』では「キシリア少将の3番艦もア・バオア・クー戦で撃沈された」としており、これと「グワジン=キシリア艦説」が矛盾しないこと、実際にア・バオア・クー戦に投入されながら、「グワデン」「アサルム」のように離脱が確認されていないことから、3番艦=キシリア艦=グワジン=ア・バオア・クー戦で轟沈、とさせていただく。

註4.「ガンドワ」は小説版にしか登場しない。小説版に登場した「ペガサスJ」は正史では「ホワイトベースJr.」となっており、これは改名と解釈できる。同様に、小説版にしか登場しない「ガンドワ」も後に「グワラン」と改名したとしても、あながち突飛な解釈ではなかろう。もしそうなれば、一つの仮説が成立することになる。この仮説の利点は、「グワジン級はまずザビ家の肉親に引き渡された」とする説を満たすことであり、仮に「グワメル」がギレンの艦であった場合、受領順位が著しい整合性を示すことになる。さらに、「アサルム」がガルマの艦であったとすれば、彼の死後、キシリア配下の大佐として階級上は同格であるマ・クベに下賜されたとしても一応納得できるのである。さらにさらに、失った「グワメル」の代替艦として、ギレンが改めて「グワデン」を受領したとなれば、これも辻褄が合わせ易いのである。

註5.『ロマンアルバムIII』に掲載された「めぐりあい宇宙」のシナリオによれば、シャアが逃走に使用したのは「グワラン」である。これを考慮すると、「グワラン」はソロモンで戦没していないことになる。

註6.『1年戦争史』にはグワジン級「グワダン」の名がみえるが、これはいったい何を根拠にしたものだろうか? 「グワダン」といえば後のカーン派ジオン残党軍「アクシズ」が使用した旗艦と同名である。別に先代の艦が喪失した後であれば同名の艦などいくらでも建造できるのであるが、さすがにこれは面白くない。なにを意図してのことなのか理解に苦しむが、公式出版物にその名がみられることから、ここでは「敢えて」とり上げることとする。


確定情報

1. 1月24日(同資料の日付は参考程度)の大気圏突入試験時に「グワメル」は失われている。(『GUNDAM CENTURY』参照)
2. 12月24日の「ソロモン防衛戦」には「グワジン級以下戦艦3隻が参加し、その全てが失われている。うち1隻は「グワラン」である。「〜以下3隻〜」の表現に注意。必ずしもグワジン級のみではないことがわかる。(『戦略戦術大図鑑』参照)
3. 12月30日のソーラ・レイ照射で「グレート・デギン」は消失している。(TV・映画他参照)
4. 12月31日のア・バオア・クー戦に際し、当初より参加したのは「グワデン」「アサルム」「グワリブ?」の全3隻。その後、「グワジン」が到着、戦闘に参加している。このうち、最低でも「アサルム」「グワデン」の2隻は脱出している。さらにこの記述から固有名詞「グワジン」という艦が存在したことも確実となる。(『戦略戦術大図鑑』参照)
5.Zガンダムに登場した幽霊船は「グワジン」である(『Zガンダム大事典』参照)

以上から、ソロモン戦時に「グワラン」以外のグワジン級が参加していたとして、それは「グワジン」「グワメル」「グレート・デギン」「アサルム」「グワデン」「グワリブ」でないことがわかる。そうなると「グワバン?」「グワダン?」が考えられるが確証はない。そもそも「グワバン」「グワダン」は存在自体に問題がありすぎる。


戯言集へもどる