絵日記2004(最終更新2004/12/26)


2004/12/26
NRX-044”ASSHIMAR”
 U.C.0087年12月6日、高度約220kmの地球低周回軌道上においてファールナ・エアロスペースライン保有の豪華客船「プロスペロー」が、A.E.U.G.・ティターンズ間の戦闘に巻込まれ損傷した。その際、乗客の搭乗した脱出艇が単独で大気圏突入する事態が発生したが、先に脱出していた船長からの救難要請を受け駆けつけた軍用MSに保護され、地球連邦軍第91救助隊所属の「ガウ改」によりA.C.クラーク基地へ移送された。このとき来援した軍用MSのなかに、ティターンズ所属のNRX-044の姿があったといわれている。

 一説によると約20機が生産されたというNRX-044のうち、ティターンズに配備された機体は、俗に「ティターンズ・カラー」と呼ばれる濃紺色に塗られていた。残念ながら残された資料が少なく、塗り分けについてははっきりしないが、基本塗装でグリーンに塗られていた部分がダークグレー(ないしダークブルー)、イエローの部分がコバルトブルーであったようだ。なお、外周部には上下それぞれにぐるりと白線が入り、途切れることなく機体を一周しているが、その示すところは不明である。

 現在までに確認されているティターンズ・カラーの機体は「プロスペロー号事件」の際に確認された1機のみであるが、ユスラ(ティターンズ中尉)機のモノクロ写真を見る限り、同型機にくらべて明らかに暗く写っており、あるいは彼女の機体もティターンズ・カラーに塗られていた可能性がある。
なんとか今年中に間に合ったアッシマー(ティターンズ・カラー)
渋谷で見たおぼろげな記憶と現場でもらえた安っぽいカード、それとガンダムウォーのイラストをもとに作図。
最初に描いたときはもっとビビッドな色だったのだが、最後にソフトライトかけたら真っ白くなってしまった。
これはこれで格好良いのでそのまま使うことにした。
本誌vol.13では本文中に文字だけでカラーリングを説明しているのだが、やはり塗装図はカラーに限る。

2004/11/26
MSA-003"NEMO"
ジャブロー降下作戦に参加したA.E.U.G.所属のMSA-003
クワトロ・バジーナ大尉のパーソナル・カラーに端を発した赤系濃淡2色の本体塗装を、RMS-099/MSA-099以外で施した珍しい例である。
わけあって描いた線画に着色。
普通に塗ったのでは面白くもなんともないので一部に有名な「大尉カラー」にしてみた。
実際のフィルムではバリュート装備を背負っているため、細部についてははっきりしないが、ネモカラーとディアスカラーの半々くらいのところに落とし込んでみた。
Zはこうした彩色ミス・カラーが異常に多く、一部は意図してやったものだろうが、初期の「ネモとGMII」「リックディアスとネモ」といったカラーリング・ミスはあきらかにミスのうちだろう。
それでも、今となってはそれがかえって味になってしまうのだから世の中わからないものだ。

2004/08/08
型式番号不詳”EPSY GUNDAM”
プロポーション面で百式系とのすり合わせをはかりつつ、ためしに色を塗ってみたもの。
色調については小田氏の作例をベースとしながら、はっきりしないところは『NEWTYPE』付録のセル画を参考にした。

作例を見るかぎり、グライ・バインダーの支持フレームは本体色で塗られているようだが、ここは永野護氏のシュツルム・ディアス作例を参考に、いわゆる”フレーム色”で塗ってみた。そのシュツルム・ディアスであるが、アニメ用の設定画では(作画を簡単にするという要請があったにせよ)このフレームが本体色になっており、意外に本体色のままとする方が正道かもしれない。

見ればわかることだが、「”ヘッド・キーパー”マシンガン・ポッド」いわゆる”バルカン・ポッド”は外した状態である。


■参考文献
 『GUNDAM WARS PROJECT Z』
 『NEWTYPE』1986年4月号付録「GUNDAM ZZ BOOK」



2004/08/07
RX-78GP02A”PHYSALIS”
面白みがなくて申し訳ない。
ただ、度が過ぎた「末端肥大」にならないようにだけ気をつけた。そのほか、ガンダム系とリック・ディアス系とのプロポーション上の橋渡しになるようにいろいろと考えたつもりである。

それにしても、この機体の脛については、いかんせん「左右対称パーツ」として処理するにはむりがありすぎる。今回も結局非対称パーツとして逃げてしまったが、弟分のリック・ディアスからして左右対称というわけではないのだから、案外もとから「対称」は意識していないのかもしれない。ほら、兄貴分のドムからして対称じゃないし…



2004/07/03
ドズル・ザビ宇宙攻撃軍中将ノーマル・スーツ
ドズル・ザビ中将が実戦出撃時に着用したノーマル・スーツ。
一般的なM73 Mk.IIと異なり、前合わせの処理に工夫が施されている。
中将はこのスーツでMS-06Fカスタム機による有名な戦場視察に赴いた。
出典:「エースパイロット列伝 シン・マツナガ編vol.2」(『コミックボンボン』1984年4月号)
元が白黒マンがなので色はわからないが、たぶんグリーン系ではなかろうかと。
それも、通常のノーマル・スーツのようなグリーンか、中将の普段の制服の色かどちらかだろう。

描いているうちに「ムキムキのサイボーグ」のようになってしまったが、これについては、スーツの下に(というかスーツは基本的に多層構造だと思う)相応のプレッシャー・スーツが仕込まれているであろうことを視覚的にパッとわかるようなアレンジを模索した結果…ということで勘弁してもらまいか。




2004/05/30
M-120A1/M-120AS/ZMP-50D/MMP-78
前から気になっていた「ザクマシンガンの給弾機構」について、誰でもわかるよう図示してみた。

私の身上は「内部メカに決定稿なし」だが、設定画の表面ディテールから読み取れる情報だけで、これほど食い違うとなると、これはもう「同じもののリファイン」だとは言いがたい。

おそらく、ナチス・ドイツが実戦でハーネル社のMKb42(H)とワルサー社のMKb42(W)を比較したように、ジオン軍においても、軍部の要求に従い、いくつかのメーカーが同一仕様の120mmマシンガンを競作し、いずれも一定数が製造されたのであろう。

型式番号がいくつか存在するモデルもあるが、それもMKb42とMP43とStG44のように、ほとんど同じものの名前違いを含むのではないだろうか。

ちなみに、ドラムマガジンと機関部とのスケールは合っていないので悪しからず。


2004/04/29
SCV-73 BLANC RIVAL
 何か、ほんとうに何かしょうもない理由で描いた挙句、そのままになっていた「ブランリヴァル」。
 当時の自分はハンガー・デッキの形状を「グレイファントム」風、というかHGインスト風の変形六角柱形に描いているが、今ならたぶん四角形に描いていることだろう。
 その後、SCVA-72「サラブレッド」も新設定が起こされ、なんとなく初期型「ペガサス」「ホワイトベース」「ブランリヴァル」と後期型「グレイファントム」「サラブレッド」「アルビオン」とに分かれるような気がしないでもない。
 さしずめ「SCV系」と「SCVA系」といったところか。ハルナンバーの前後や混乱はあるにせよ、艦体構造自体にはそれとは別に前期・後期の差があったのだろう。


2004/04/12
Type-L2 etc. HEAT HAWK VARIATION
ドズル専用ザクIIの大型ヒートホークについて。

これがまたきちんとした設定画がないため、こんにち「商品」として売られているものでも、その処理は見事にバラバラである。

試みに、「オリジナル画稿以外ではもっとも古い資料」とされる『テレビマガジン』84年5月号「MSVずかん”ドズル出撃!”」を見てみると、さすがに同時代資料。エングレービングやグリップ後端の赤線など、かなり元画稿に忠実に描かれているのが分かる。今にして思えば、全体の処理はマスターグレードのそれに近いものの、「南京錠」のシリンダーがグリーンだったり、刃の形が全然違っていたりと、これもまたいろいろ違いがある。

イラストを含めれば、ここ数日確認できただけでも4種のヴァリエーションが存在するドズル用大型ヒートホークだが、考え方の方向性としては、後にくるアクトザク用ヒートホークのデザインに類似点が見出されることに注意したい。改めて見比べてみると、よりホールドし易くなったグリップ、ある程度「刺突」を意識した先端処理とパイプの取り回し…など、見た目の類似以上に設計思想に共通する点が多いことに気付くだろう。だからといって何か決論めいたことを言おうというのではない。

「Type-L2」があるということは「L1」や「L3」が存在したって良いわけで、時期によってドズル用ヒートホークがヴァージョンアップしていった可能性もなくはない。これらの差異を「アレンジの違い」ととるか「実際に複数のタイプが存在した」ととるかは、最終的に読者の判断にゆだねる…というのが、妥当な落とし所であろう。