■ビグロ問答


続・今日の困ったちゃん2 投稿日 11月13日(金)22時18分 投稿者 与謝野折檻

 スカ本との呼び声も高い(笑)『GUNDAM TACTICS−MOBILITY FLEET 0079−公式ガイドブック』(勁文社 1997)の付録CD−ROMを見ていたら、MA−05M「ビグロ・マイヤー」の解説中に「ジオニック社製」と自信満々に記述してありました。コレってどうしましょう。あまりに分かりきったことなんで「MIP製」と明記した資料は逆に見当たりません。どう扱ったら辻褄が合うと思います?

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amigo さんへ 投稿日 11月18日(水)22時20分 投稿者 与謝野折檻

 ところで「兵器開発の裏事情」ってのは面白いですよね。
 MS−07・08シリーズに関しては天津氏が決定版の原稿を執筆中ですので、詳しくは彼かその原稿が載るであろうブツを待ちましょう。で、折檻個人としてのイメージではメーカー間の確執みたいなものを想定していました。ご存知のように、それまで国策企業ジオニック一色のMS市場でしたが、MS−09でツィマッド社が出し抜きます。ですが、そもそもMSという概念自体を作り上げてきたジオニック社に対し、初めて参入したツィマッド社がイキナリそんな完成度の高いMSを製造できるわけもなく、何らかの技術実証機を製造しているはずです。一応設定ではMS−07C−5(C5)はツィマッド社の手によって改造されたことになっていますが、たった1機試作機をこさえただけでYMS−09は作れないと思うんですよ。たとえばゼロ戦などは三菱の機体ですが、一部の機体は中島で製造されていました。MS−07系(場合によっては06系も)もそうした機体で、ツィマッド社が一部ライセンス生産していたのではないかと考えています。そのため、自社工場でロールアウトした1機を使用して問題のC−5を製造し得たのではないでしょうか?
 この考えを推し進めるとMS−07・08両機の関係はMS−11(14)とMS−15のような競合試作機ではないかという考えに至ります。で、それがジオニック系のMS−07、ツィマッド系のMS−08ではなかったか?という考え方ですね。

 この両社の関係はメッサーシュミット社とフォッケウルフ社みたいな関係(もっと極端な例としてはハインケル社ですか)ではないかと想像しています。
 メッサーシュミット社は国策企業として政治的に厚遇され(社長がナチ党員だった)、ハインケル社が開発しながら自社製HeP.1078戦闘機にもついに搭載できなかったハインケル・ヒルトS011ジェット・エンジンでさえ、やっとのことで完成させたその試作型がメッサーシュミット社のMeP.1101には搭載されていたりします。おそらくムリヤリ押収されてメ社へ引渡されたのでしょうが、非常に「政治的キナ臭さ」を感じます。メッサーシュミットMeP.1101とフォッケウルフTa183、ハインケルHeP.1078は共に「緊急(ジェット)戦闘機計画」コンペティションに応募した機体で、結果的にTa183が採用されたにも関わらず、先走って勝手に試作機を製造していたメ社はお咎めを受けるどころか「これにも見所がある」として開発資金が上乗せされて製造が続行されてしまします。もうメチャクチャです。正式採用機であるTa183もハインケル社のP.1078も、ついに指定エンジンである「S011」を搭載することはありませんでしたが(実機が完成してないうえにエンジンが供給されないのだからあたりまえ)、正式機でも自社機でもないメ社には なぜかエンジンが納入されています。

 話が脇道にそれましたが、「兵器メーカーと政治力の関係」の一例として紹介させてもらいました。要するに、ジオニック社はツィマッド社に比べて政治的な発言力が強かったと思われます。先のビグロマイヤーの問題も、MA製造技術をタダで入手するため、MIP社から強引にライセンス権をむしりとって資料・設計図等を入手し、MA−05に独自の改良を加えた機体をMA−05Mとして製造したのではないか?と邪推することも可能でしょう。(ちなみにMIP社独自の改良型がMA−06「ヴァルヴァロ」ではないでしょうか。合計14機計画されたMA−05が12機しか製造されなかったのは、このうち2機のフレームがMA−06へ流用されたからでしょう。)

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ご意見ありがとうございます。
投稿日 11月19日(木)00時08分 投稿者 amigo

08系については、私も天津さんを待つとして、とりあえず思いついたことを。
私もMS開発経験の少ないツィマッドが、MS-07C-5一機作ったところでいきなり
MS開発のノウハウを全て把握したとは思っていません。

そこで注目したいのが、ツィマッド社製ということがハッキリしているゴッグであります。
おそらくジオニック以外のMSメーカーは、とりあえず水陸両用MSの開発を経て
ノウハウを得、やがて地上用、宇宙用とステップアップしていったのではないでしょうか。
とりあえず私のサイトでは、そういう自説を展開しております。

MIP製のMA群も、MAがMSの発展したものである以上、MS開発の経験が必要だったと思います。
したがってその開発にも、ズゴックの経験が少なからず活かされていたと考えます。
ただ、MAを作ってたのはMIPだけだったんですかね? NT用のMAは除くとしても
ザクレロ、ビグロ、ヴァルヴァロ、グラブロ、ビグザム、ぜーんぶMIPなんでしょうか。
なんかつまんないなあ。一つくらいライバル社が欲しいよなあ。

ただビグロを起点として、ジオニックを経た「ビグロマイヤー」と、
ツィマッド純正の発展型「ヴァルヴァロ」へと分岐していく三角形は、
とても納得できるものですね。私も賛成です。
ただこのビグロマイヤー、私はその存在をネット上で知ったくらいのものなので
なんとも言えませんが。何に出てきたヤツなんですかね?

ジオニックはやはり、ツィマッドに比べてかなり政治的な力を持っていたでしょうね。
ガルバルディが完成しても、ゲルググに取って替わるのは難しかったでしょう。
個人的にはジオン最強のMSと考えているのですが、後々の発展機も少ないみたいだし。
せいぜいR-ジャジャくらいかなあ。

「メーカーとその背後の政治力」というのは、色々都合がいいものです。
この考え方は、ギャンについて考える時にも何かと重宝します。
私はこれに加え、「アクトザクの謎(詳しくはまた後日)」も絡めて
かなり暴走した自説を展開しています。詳しくは下のリンクからご覧あれ。

http://www.kiwi-us.com/~amigo/1000ms/index.htm

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amigoさんへ 投稿日 11月19日(木)01時09分 投稿者 与謝野折檻

>MIP製のMA群も、MAがMSの発展したものである以上、MS開発の経験が必要だったと思います。
 元をたどればMAって由緒正しいマシンでして、MIP社の「MIP−X1」はジオニック社の「ZI−XA3」と軍のコンペティションで競作され、結局ZI−XA3がMS−01として採用されました。ただし、宇宙空間での機動性はMIP−X1の方が優っていましたから、これも開発が続行され、その直系の機体がMA−05「ビグロ」です。

>ただ、MAを作ってたのはMIPだけだったんですかね? NT用のMAは除くとしても
>ザクレロ、ビグロ、ヴァルヴァロ、グラブロ、ビグザム、ぜーんぶMIPなんでしょうか。
>なんかつまんないなあ。一つくらいライバル社が欲しいよなあ。
これがどうも、MAのメーカーは意外に良く分かっていないようです。
「ザクレロ」「ビグロ」「グラブロ」「ビグザム」はMIP社製(ないしはMIP設計)とする資料がありますが、0083頃からサンライズは(って、もともとか?(^^;))メーカー名ではなくて生産地のみを表示するようになってしまったので、ザクですら開発メーカーには触れられず「開発基地=ジオン公国軍・ズムシティー」などというフザケた表記に統一されてしまっています。ですから「ヴァルヴァロ」に関しては公式設定は存在しないでしょう。おそらく、どの資料でも「ジオン公国軍グラナダ工廠」となっているハズです。(ですが0083時の設定ではMS−06F2もMS−09RUも「ジオン公国軍グラナダ工廠」で一括りですから「MIP製でない証拠」にはなりません。)MA−05の14機中の2機がYMA−06へ改装された、という意味の記述が「ジオン軍ミリタリーファイル」にありますし、折檻自身は「MIP」製だと考えています。
答えになっていませんね(^^;)

>ただこのビグロマイヤー、私はその存在をネット上で知ったくらいのものなので
>なんとも言えませんが。何に出てきたヤツなんですかね?
「GUNDAM TACTICS」っていう「ピピン」用(ってマックでも使えますが)として発売されたゲームのオリジナル機です。後にWindows版も発売されました。このゲームオリジナルの機体としては有名なRRf−06「ザニー」や、RX−78opt.「Gダッシュ」なんてのがあります。このゲーム自体を買ってなかったのは痛恨事でしたが、ケイブンシャからCD−ROM付きの攻略本が出ていますし、ゲーム自体も中古店などで手に入るかもしれません。折檻は主に攻略本付属のCD−ROMを参考にしています。

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ビグロを操縦するのではなく 投稿日 11月19日(木)01時32分 投稿者 amigo

ZI-XA3、初耳ですわ。そっか、MIP-X1と競ったのはMS-01じゃなかったのね。
それにMIP-X1、直でビグロ様につながってるんですねえ。
両者は無関係ではないけれど、一応切れてるとは思ってたもので。
例えばザクとガンダムが、無関係じゃないけど繋がってると言えば繋がってるように。

ちょいと話は飛びますが、だったらNT用のMAはどうだったのかな、とも思います。
フラナガン機関はあくまでニュータイプ研究機関なんだから、サイコミュは作れても
宇宙艇を作るには多分どっかの力を借りたとは思うんですよね。
これもやっぱMIPなのかな。ちょっとつまんないな、どっかで遊びたいなあ。

ツィマッドはドダイYSも作った航空機メーカーですから、宇宙艇くらい作れたかなあ。
ガトルとか、ジッコとか。戦艦作ったメーカーも気になりますよねえ。

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MS−08とかいろいろ。 投稿日 11月19日(木)21時08分 投稿者 与謝野折檻

amigoさんへ
>ZI-XA3、初耳ですわ。そっか、MIP-X1と競ったのはMS-01じゃなかったのね。
 ZI−XA1がMS−01です。同じものですが、名前が変更になったようです。
(MS−06Z>MSN−01みたいなもんでしょうか?)

>それにMIP-X1、直でビグロ様につながってるんですねえ。
>両者は無関係ではないけれど、一応切れてるとは思ってたもので。
>例えばザクとガンダムが、無関係じゃないけど繋がってると言えば繋がってるように。
 MIP−X1のデザインやスペックが設定されていない以上、どの程度まで「直」かは「不明」というのが実状でしょう。「直接の発展機」という表現をどの程度まで用いるのか、ということで捉えかたは各人まちまちなのではないでしょうか。

>ちょいと話は飛びますが、だったらNT用のMAはどうだったのかな、とも思います。
>フラナガン機関はあくまでニュータイプ研究機関なんだから、サイコミュは作れても
>宇宙艇を作るには多分どっかの力を借りたとは思うんですよね。
言われてみればそうですよね。
 きっとキシリア資本が投下されるまでのフラナガン機関って「(財)日本ワキガ研究所」とか「(財)視力回復センター」みたいな雑居ビルの3階とかに入ってるようなウサン臭いインチキ法人みたいなもんだったんじゃないかと思っていますから(^^;)(それはあんまりか?)でも、そういう公的な補助金がなければ、こういう銭にならない「自分で勝手に名乗っているウソ研究所」ってのは経営が成り立たないハズですので、あながち見当ハズレでもないかな?と思います。

 でも、そういうインチキ研究所に機動兵器を製作するノウハウはないでしょうね。
 またしても実例ですが、ドイツにはDFS(ドイツ・グライダー研究所)とか、幾つか団体がありましたが、実機の製造はちゃんとしたメーカーが行っていました。また、無尾翼機の権威リピッシュ博士はメッサーシュミット社へ招聘されてそこでMe163「コメート」を設計しましたし、全翼機の権威ホルテン兄弟などは設計だけやって機体はゴータ社が製作しました。ですから、よく「Ho229」として紹介される機体は正式には「Go229」です。機体の設計自体は通しナンバーである「Ho\」です。それに、あのNASAだって一から機体を作ることはしませんものね。

 フラナガン機関の機体なんかはやっぱりそれなりのメーカーが製作していたのでしょう。
 ですが、これは推測ですけど、おそらくMIP社は噛んでいないと思われます。根拠としては、サイコミュ系MAはおしなべて機体自体の設計が平凡(悪く言えば旧式)なこと。特に、MIP社のMAの根幹をなす「1対のAMBAC作動肢」を持たないこと。要するに、MIP社が開発したMAの「秘中の秘」とも言うべき「MSとは比較にならない大推力」「AMBAC作動肢は空間戦闘には1対あれば十分」という2点が同時クリアーされていない、ということです。「サイコミュ機は障害物の陰でじっとしていてオールレンジ攻撃を仕掛けるのが基本戦術だからAMBACはいらない」という考え方もできますが、「ブラウブロ」や「エルメス」が持つダサダサのラインはやはり明らかに違うメーカーの設計技師の手になるものだと解釈したいのですが、どうでしょうか?

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納得です。 投稿日 11月20日(金)00時16分 投稿者 amigo

ZI-XA3とMS-01の関係、了解しております。
MS-06MとMSM-01みたいなモンですよね。

MIP-X1とビグロ様の関係ですが、やっぱり有力な証拠はないようですね。
確かに、そっから先は個人の解釈に委ねられるのでしょう。
私としては、直接の関係はないと考えています。根拠はありませんが。

ブラウ・ブロやエルメスがMIP社と関係ないとの説、またその根拠、
いずれも納得できるものです。機体自体は、単なる宇宙艇ですもんねえ、アレ。
ブラウ・ブロは昔、NHKのキャプテンフューチャーのコメット号みたいに
見えてました。でもアレも「ディスカバリー号」だしなあ。
子供の頃はクスリもなしに空を飛べたもんです。てへっ。いや話外れました。

機体だけでなく、ビーム兵器ひとつとっても大変なことだと思うんですよ。
だからMIPじゃないとしたら、ジオニックかツィマッドか、いずれにせよ
MSかバトルシップの開発経験があるメーカーが非公式に絡んでると思います。
それがどこか、と聞かれてテキトーに予想するのは簡単ですが、
感覚的に安易過ぎる気がするんで控えときまーす。


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