犬も歩けば不審者対策 八頭郡の愛犬家がパトロール隊結成
「ちょっと遊びに行こうよ」「怖いことはないからこっちへおいで」−。鳥取県内でも帰宅途中の女児らを狙った不審者による声掛け事件が後を絶たず、家族や学校側の心配は尽きないが、八頭町の愛犬家約三十人は「不審者が子どもに声を掛けにくい雰囲気の町にしよう」と、県内で三団体目となるわんわんパトロール隊を結成した。下旬にゴールデンレトリバーなど自慢の愛犬と「巡回」を始める。
参加者と愛犬のゴールデンレトリバー。人犬一体で地域をパトロールする
発起人は同町の新興寺の住職、城光寺照進さん(51)。不審者の魔手から子どもたちを守りたいと考えていた矢先、他県で犬の散歩をしながら地域の児童を見守る防犯ボランティア団体があると知り、「散歩のついでなら大きな負担にならない。自分たちにもできそう」と思い立った。同町の安部小学校区内に住む知人を誘ったところ、次々に主婦や会社員ら三十一人が愛犬三十六匹を引き連れて手を挙げた。
隊の名前は「安部わんわんパトロール隊」。参加者は隊のロゴマークが入った帽子、犬は反射材付きのユニホームに身を包み散歩に出る。警察庁の統計でも、侵入・窃盗犯が犯行を踏みとどまった理由の第一位にも地域住人に声を掛けられたことが挙がっており、参加者は見慣れない人には積極的に声を掛けることにしている。
城光寺さんは、参加者が負担に感じないよう「自分の散歩コースや時間帯を変える必要はない。好きなときに活動してほしい」という。同町の主婦、関優子さん(39)も「時間を決められていないのがいい。普段のコースから足を延ばして児童がよく通る道も散歩したい」と愛犬のリリーとパトロールに当たる。
郡家署によると、管内(八頭町、若桜町)の防犯ボランティア団体数は、広島県で〇五年に発生した女児殺害事件などを背景に2006年には三十七団体まで増えたが、〇七年には二十七団体に減った。生活安全刑事課の松本彰博係長は「気軽な気持ちで続け、地域に根付いてほしい」と期待している。
県内で発生した不審者による声掛け件数は、2006年が63件、2007年は24件報告されている。