ビリケン商会のソフビキット キンゴジを作る

 ここんとこ「忙しい忙しい〜」などと言ってまともに模型づくりをしていない自分に気付きました。10月に入ってようやく涼しくなってきまして、ガレージの2階の作業場にも入りやすくなってきたので、ここらでひとつ何か作っておかなければと思い立った次第であります。特に、今月は仕事の方がかなり追い込まれている状態ですから、なおさら息抜きというか、現実逃避というか…まぁ、とにかく何か作りたくなってしまったわけであります。

 選んだのはビリケン商会のソフビキット「キングコング対ゴジラ版ゴジラ」です。先日出張した折に立ち寄った大阪梅田の「ホビット」で購入しました。定価3000円。購入価格は2850円でした。余談ながら、大阪の「ホビット」はかれこれ15年ぐらい前から利用しています。特に怪獣関係のガレージキットの品揃えが充実しており、とりわけイノウエアーツ作品を多くリリースしているメーカー「パラダイス」の商品を在庫してくれているあたりがうれしいです。もっとも、最近はショーウィンドウの大半がドール関係に占領されていて、ドール属性のない私としてはちょっと残念ではありますが…

 ビリケン商会は、ソフビで怪獣系のリアルモデルを発売したパイオニア的存在だと思います。15年近く前にBタイプウルトラマンが発売されたときは驚喜しました。実にリアルな造形、そしてわずか2000円という低価格。その後もウルトラ怪獣や東宝怪獣などを続々リリースしています。しかも、一部の洋物モンスターを除いて、ほとんどが今でも入手可能というのはうれしい限りです。

 というわけで、これが全パーツです。意外に数が少ないのに驚かれる方もあるかもしれません。メーカーによっては、大腿部と膝下を分割していたりするところもありますが、おおよそこれが怪獣ソフビの基本的な構成だと思います。まぁ、ゴジラの場合は背びれがありますから、怪獣系のソフビキットにしてみればこれでもパーツ数は多い方かもしれません。ビリケン商会さんは、海洋堂などの他のメジャーメーカーにくらべると箱絵とかにはあまりこだわっておられないようで、ボール紙の共通ボックスにキットの内容を表すラベルが貼ってあるだけです。インストはほとんどのガレージキットメーカーが紙1枚って感じです。原型製作は「HAMMAH」さんとクレジットがあります。ウルトラマンの原型などを担当していらっしゃるハヤハマオさんのことでしょうか?

 まずはパーツをお風呂に入れてやります。お湯の中につけてソフビのゆがみをとるとともに、中性洗剤で洗って離型剤などを落とします。

 つぎに、各パーツについている余分なバリをカッターで切り取ります。このとき、ドライヤー等でパーツを温めて柔らかくしてから作業します。

 今回は特に改造したりするつもりもありませんし、メカ系と違って怪獣は表面処理にさほど神経も使いませんので、パーツのバリ取りが終わったらどんどん組んでいきます。接着には瞬間接着剤を使います。

 小一時間ほどでここまできました。ビリケン商会さんのモデルの特徴として、腕や足がはめ込み式になっていて動かして遊べるということがあります。ただ、今回は継ぎ目処理をするために可動部は全て接着してしまいました。


 ここまで作業して2週間ほど間を空けてしまったのですが、休日を利用して少し進めることにしました。

 まず、口の中を塗装します。口の塗装プロセスは、ホビージャパン誌に掲載されていたものを参考にしています。
 最初に、アイボリー系の色を塗ります。次に、クリアーオレンジとクリアーレッドを混ぜて少し濃い赤色(血の色に近い感じ)にしたものを上塗りします。これが凹部の暗い部分になるわけです。その上から、もう少しピンクに近い感じの色でドライブラシをかけます。最後に牙の部分をアイボリーっぽい感じの色で塗装しました。

 なお、私の場合、ソフトビニールの塗装にはラッカー系のプラモデル用塗料、グンゼのMr.カラーを使用しています。また、怪獣系の場合は横着をしてサフ吹きもしていません。(さすがに、メカ系とかウルトラマンとかだと表面処理してサフ吹きしますけれど)  私の住んでいる鳥取県米子市では、おもちゃやさんとかデパート、それに一部の模型店でさえもラッカー系の塗料を販売しなくなってしまいました。現在、ラッカー系塗料が購入できるのは古くからある模型店1軒のみです。ちなみに、そのお店、「大原模型」は「八岐之大蛇の逆襲」にも登場しています。 とにかく、そのお店にはがんばってほしいものです。

 模型誌などには、ソフトビーニールの塗装では被膜の喰いつき性といったことが問題になるといったようなことが書いてあることがあります。そのあたりを考慮したソフビ専用のVカラーといった塗料も市販されているようです。(このVカラー、実際に使っていらっしゃる方の記事などを読むとなかなか優れもののようなのですが、残念ながら、少々高価なこと、色数も少ないこと、何より私の住むような田舎では入手が難しいといった難点があります)しかし、私の場合はグンゼのMr.カラーでも十分だと感じています。(もっとも、私の場合は固定ポーズのものしか作らないという事情もあります。可動部があるような場合はやはりMr.カラーでは被膜が弱いかもしれません。)

 ソフビの塗装でひとつ失敗談を披露いたしますと、以前海洋堂のビオゴジを作ったときに、体表のヌメヌメ感を出そうとして仕上げにエナメル系(田宮のですね。私は未だにパクトラタミヤとか言ってしまいますが…)の光沢黒をウォッシングする感覚で表面に塗ったことがありました。…ところがこれが乾かなくってですね…結局3年ぐらいたってもまだ表面がベトベトしてました…後述するように眼球の部分に透明感を出すためにぬるエナメルクリヤーはちゃんと乾くようなんですが…薄めすぎたのが悪かったんでしょうか。まぁ、それ以来ソフビの塗装にはエナメル系は使用していません。


 塗装関係の話題をもう一つ…エアブラシ塗装をするときのやっかい事のひとつは、エアブラシの保守にずいぶん溶剤が必要になるということです。まぁ、大人の趣味って感じでそこそこお小遣いをつぎ込める今となってはラッカー塗料用の薄め液なんか特大ボトル買いでも全然OKなんですが、お金のない学生の頃は水で洗えるというだけで水性塗料を使用していたこともありました。もっとも、ソフビを水性塗料で塗ったことはありません。(後述のように怪獣は筆塗りでした) 個人的にはさすがにソフビに水性塗料は難しいのではないかと思うのですが、実際どうなんでしょうか…どなたか試みられた方があればご教示いただきたく思います。

 塗装の終わった口を接着して、手足などの接合部の段差をエポキシパテで埋めます。以前はタミヤのものを使っていたのですが、今回初めてグンゼのMr.エポキシパテを使ってみました。なんとなくタミヤのものよりも指にくっつかない感じがして使いやすかったです。エポキシパテには適当にモールドっぽいものを入れていますが、ごくごく適当です。

 今日は1時間半ほどの作業でここまできました。あとは塗装するだけです。仕事が一段落したら一気に完成まで持っていきたいと思います。
 なお、ゴジラの後ろに写っているパワーショベルは、私の自主制作映画に出演予定のものです。


 前の作業から更に2週間ほどたってしまいましたが、ようやく仕事も一段落しましたので、一気に塗装をしてしまおうと思い立ちました。

 このページでご覧いただけるように、私はかなり塗装ヘタヘタモデラーなのですが、それでも怪獣の塗装はとても楽しいひとときです。まさに趣味って感じですね。


 私が怪獣を塗装するプロセスは数段階に分かれます。まずは、全体に基本色を吹きます。キンゴジの色については諸説あるようですが、私のなかでは緑色というイメージがありますので、ダークグリーンを基調にして少し調整したものを塗りました。なお、口の部分はマスキングしています。


 次に、凹部などを中心に、基本色よりも暗めの色でシャドウ吹きをします。


 シャドウ吹きをした後、今度は基本色よりも少し明るめの色を全体にうっすらと吹いて、グラデーションをかけます。その後、更に明るい色でドライブラシをかけて、モールドの凸部をひきたたせます。ちょっとドライブラシがうるさくなってしまった場合には、もう一度エアブラシで基本色をうっすら吹いて色調を整えます。

 まだエアブラシとコンプレッサーを持っていなかった頃は、筆塗りをしていました。そのときは、いちばん暗い色を全体に塗って、その後4〜5段階ぐらいかけて明るめの色をドライブラシしていくという方法で行っていました。エアブラシを購入してから、筆塗りの機会はめっきり減ってしまいましたが、私としてはドライブラシだけで仕上げたものにもけっこう愛着があります。(例えば、ファルシオンのゴジラなどは筆塗りの作品です)


 最後に、ツメ、目、ヒレのハイライトを塗ります。
 ツメはアイボリー系の色を塗って、その上からクリアーレッドを薄めたものをウォッシングするような感じで塗っています。
 背ビレは、シルバーのドライブラシです。全体的に色調が暗いゴジラでは、背ビレをシルバーで塗ると、いい感じのアクセントになるんじゃないかと思います。
 目は、白っぽいアイボリー系で白目を塗った後、かなり薄くしたクリアーレッド+クリアーイエローで塗って、ちょっと黄色っぽい感じにしています。写真ではずいぶん黄色く見えますが、実物はもう少し落ち着いた感じになっていると思います。黒目を入れた後で、タミヤのエナメルカラーのクリアーを塗って光沢を出しています。この技法はホビージャパン誌で読んだものなのですが、電灯などの光がいい感じで反射して思わぬ効果を上げてくれます。

 ちなみに、今回は単純な黒目を入れただけです。もう少しスケールが大きかったり、気力が充実していたりするときには、光彩と瞳を書き分けたりもするんですが…
 あとは、適当にドライブラシなどで汚しを入れています。汚しが激しくなりすぎたりとか、ちょっと浮いたりした感じになったときは、基本色を薄く吹いて色調を整えるようにしました。写真によっては、シャドウがきつすぎるようようにも見えますが、室内灯の下で肉眼で見るともう少し落ち着いた感じにはなっています。(でもまぁ、全般的にシャドウがちょっと浮いちゃってるかなあ)




 というわけで、2時間半ほどかけて塗装することができました。全体の製作時間が5時間ぐらいでしょうか。

 はじめにも書きましたが、単に切って貼って色を塗るだけとはいえ完成品を作ったのはずいぶん久しぶりで、2年近いブランクがあったような気がします。まぁ、リハビリにはちょうどよかったんじゃないでしょうか。
 とりあえずは、仕事も一段落つきそうですので、今後はプラモデル/ガレージキットなど積極的に作っていきたいと思っています。

 なお、「作る」シリーズ第2段として、「ビリケン商会のレッドキングを作る」のページも公開しておりますので、ご覧下さい。




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