7月3日(水)

今日は雨。

「今年の七夕も雨かなぁ?」

教室の窓から、空を見上げて呟いた。

「毎年雨じゃん。
 それがどーしたの?」

数学の教科書と睨めっこしながらミサキが答える。

「ん〜。天の川、見たいじゃない?
 それに、織り姫と彦星にはちゃんと会って欲しい。」

離ればなれになった悲しい恋人達が、
1年に1度、会える日。

「んで?
 ユキの七夕はいつなの?」

「へ?」

ミサキの思いがけない質問に、素っ頓狂な声をあげてしまった。

「だってさ。七夕は離れた恋人達が会える日な訳でしょう?
 なら、ユキとマサキ君にも七夕はあるんじゃないの?」

「う〜。」

ごもっともです。
そりゃさ。
私も会いたいよ。
マサキに会いたい。

「雨が降ると、天の川が増水して会いに行けなくなるからね。
 晴れることを祈ってってあげるわ。」

Vサインを出すミサキ。
私の大親友。

「ミサキ、愛してる!!」

「愛はいーから。
 それよりもここ教えてよ〜。

忘れてました。
今日もまだテストです。
しかもこれから数学。勉強してない!!

「お前ら、席付けよー。」

げっ。先生もう来てるじゃん!

「赤点だったらユキの所為だからね!!」

「ごめんってば〜。」

私も実は勉強してないのに。
知ってる、ミサキ?

数学の難問に頭を悩ませながら考えた。
私たちは、1年に1度しか会えない織り姫と彦星じゃない。
会いたいと思えば、いつでも会える。
連絡が来ないなら、
私が直接会いに行く。

待ってろよ、マサキ。

ふと時計を見上げると・・・
残り後10分少々。
まだ半分くらい残ってるじゃん!!
慌ててペンを動かし始めた。