Area.37(H2) オリオン座 【Bタイプ】

 

眠くて だるくて とにかく 早く家に帰りたかった一夕(いっせき)…

バスの中で眠っていた僕は うつむきながら坂をおりた

突然ふいた風が僕に髪をかきあげさせたその時

一瞬、上を向いた僕の視界の中に、なつかしい

あなた(正直言うと、あなたのすべてを知らないのです)が飛びこんだ…

僕は以前、冬の夜よくあらわれるあなたを一人で見るのがこわかった

目をそらしてもじっとこっちを見ているあなたが不気味に思えたから…

でも、なぜかいまは、こわくありません

久しぶりにお会いしますがおかわりありませんね

人が昔、星を線でむすんだあなた達の中で今年最初に

お会いするのが、まさかあなただったとは思ってもみませんでした

あっそうそう、去年の夏「さそり君」や「ひしゃくさん」にも会ったんです

あっどうもお別れのようです… また今年の冬も僕を見ていて下さい…!

 

髪をかきあげてから、あなたが見えなくなるまでの…

眠けや、だるさを忘れられた…

そんな…坂をおりる数秒間だった