どうしたってとまらなかった涙を…
今でもはっきりおぼえてる…。ほかの女(ひと)にとられたのなら、とりかえしてみせる自信はあったわ…。
ほかの男(ひと)を好きになっても、本気にならない自信はあったの…。
でも今はなんの自信も持てないし、持ってもしかたないから
涙がでちゃう…。
無理な運転しないでねっていつもあれだけ言っておいたはずなのに…。
また後ろに乗せてもらおうと思って毎日少しずつセーター編んでたのに…。
編めたらつくろうと思っていたチョコレートも、もういらないのね…。
あなたのぬくもりをたくさん感じたその背中までちょうど編んだ
この編みかけのセーターどうすればいいの……。
最初またいつものあなたの悪い冗談だって思った…。そう思いたかった。
あなたを前にした今だって信じられないもの…。
でも、本当だったなんて…突然すぎるわよ…
ねぇ…私はどうなるの…? 1人ぼっち?
ねぇ…もう笑ってくれないの? ねぇ…
ねえってば!…イヤよ…イヤ!
1人なんて絶対イヤだからネ!
1人なんて…絶対…。
ねぇ、イヤだよ…。
ちょうど1年前の今夜
何も答えてくれない…、もう動かなくなった冷たいあなたを前にして
私はそんなことを思った。
この背中だけのセーターを見ても…
あなたと2人の写真を見ても…
もう泣かなくなったのに…。
ポッカリあいた穴から吹き込む風で、凍てついた心は
どうしたってとまらなかった涙を…
今でもはっきりおぼえてる…
私にはこなくなったバレンインと一緒に
今でもしっかり包んでる…。
今では、すっかりとざしてる・・・。
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