FALCHiONというメーカーがあった

 「ファルシオン」というガレージキットメーカーをご存じでしょうか。私がそのメーカーの作品を初めて作ったのは、13年ぐらい前に購入した初代ゴジラのソフビモデルでした。全高50cm尻尾の先まで含めれば70cm近くある大型モデルで、原型はイノウエアーツでありました。特筆すべきはその価格で、当時イノウエアーツの同等品が2〜3万円もしていたとき、ファルシオンのものは9800円だったように記憶しています。
 その後も徹底した考証で撮影用スーツを再現したテレスドンとか、帰ってきたウルトラマン、ツインテール等々を発売し、メインストリームから外れてるんだけど、妙にツボをついたアイテムの選択が印象的なメーカーとして注目していました。
 ところが、2〜3年前だったでしょうか、突然ファルシオンは活動停止宣言をしてメーカーとしての活動をやめてしまいました。
 今振り返ってみると、意外に私の部屋にはファルシオン製品が多いことに気付きます。しかも、それらの一つ一つがけっこう思い入れが深かったりするわけです。
 というわけで、私の展示室の最初の部屋には、ファルシオン製のガレージキットを納めることにいたしました。


初代ゴジラ


 原型イノウエアーツ、全29パーツ、全高50cmです。オマケとして、プラキャスト製の「トリロバイト」が付属していました。
 おそらくこれは東京マルイから発売されたラジコンの初代ゴジラと同じ原型だと思います。イノウエアーツブランドでも同じ原型と思われるソフビキットが発売されており、何故ファルシオンという新興メーカーからこのキットが発売されたのか、今でも不思議に思っています。

 イノウエアーツ/井上雅夫氏の怪獣作品については別項でも紹介しておりますので、ご覧下さい。

ツインテール


 これは、私が最も気に入っているキットです。インストが行方不明のため、詳細なデータがありません… 購入したのは3〜4年前でした。価格は8000円程度だったように記憶しています。当時ファルシオンは、撮影用スーツを可能な限り再現するというコンセプトでウルトラ怪獣を発売していました。その第一弾はテレスドンだったように記憶しています。
 このツインテールでも、その考証はいかんなく発揮されていて、口元にある砂煙を出すための空気放出パイプまでモールドされています。
 「リアル」な怪獣モデルは如何にあるべきかという点については議論の余地もあるかと思います。とはいえ、これほど細部に渡って「撮影用スーツ」にこだわった有り様は、すがすがしさを感じます。

帰ってきたウルトラマン


 私事ながら、歴代ウルトラシリーズで私が最も好きなのは「帰ってきたウルトラマン」であったりします。私が生まれたのは1966年4月、東京にペギラがやってきたその数日後だったのですが、不思議と第一期ウルトラシリーズの記憶がありません。物心付いた頃に初めて出会ったウルトラマンが「新マン(間違ってもウルトラマン・ジャックなどとは呼ばねぇ)」でありました。再放送でも再三見る機会があり、私にとって最高のウルトラシリーズとして刷り込まれてしまったようです。
 とはいえ、これはひいき目でもなんでもなく、帰ってきたウルトラマンの第1クールなどは今見ても実によくできていると思うのですが… ちなみに、私はアロー1号よりも2号の方が好きです。

 あ〜、新マンの話しを始めたら止まらなくなってしまいますので、本題に戻りますと…

 というわけで、ファルシオンから新マンのキットが発売されたときには即購入いたしました。原型製作:ダンスリーディメンション、稲田喜秀氏、インストによれば、「スーツとしての完成度が高く、主に番組の第一クールで使用されたセカンドタイプのスーツを立体化」したとあります。
 なお、ヘッド部分は透明パーツと通常パーツの2つが付属していたり、手首に至っては握り手、開き手、ブレスレッドを持った手など左右あわせて5つあったりなど、至れり尽くせりのキットでした。
 製作にあたっては、身体の模様の二重線のマスキングに苦労しました…もう二度と新マンは作るまいと心に誓いました。

 ツインテールと向かい合わせて名シーンを再現…といきたいのですが、左手首にはブレスレッドがはまってしまってます。(なんとなく、新マンはブレスレッドをしているというイメージが強かったので)



 この写真は2002年の年賀状用に作ったものです。ファルシオンの新マンの後ろ姿と、自宅から撮影した夕焼け空を合成してみました。やはり新マンには夕焼けが似合います。空の向こう側に「ビーコン」なんかを飛ばしたら、もうそのまんまって感じですね。

快獣ブースカ




 一時期(今でもですが)「快獣ブースカ」グッズ集めにハマっていました。ブースカの世界のように、日常の中に非日常の光景があるという雰囲気はとても心惹かれるものがあります。
 このブースカは、オリジナルのスーツを忠実に再現したモデルです。最近発売されているグッズは適度にデフォルメされているものばかりで、こういったオリジナルに近いものは数が少ないように思います。
 原型製作はツインテールと同じダンスリーディメンション、稲田氏です。インストには、「(ブースカの撮影初期に使用された)Aタイプブースカは撮影中に焼失してしまい、急遽作られたのがBタイプブースカというわけです。本キットは本来のブースカともいえる初期のAタイプブースカを忠実に再現しました」とあります。
 左にあるのは、キットのオマケの「指人形ブースカ」です。



 というわけで、私の部屋にあるファルシオン製キットの紹介でした。
 では、バサラ・バサラ

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