驚異のペーパーモデル ゼネラルプロダクツ・メーザー殺獣光線車

 初めてガレージキットというものを買い、そして作ったのはゼネラル・プロダクツというメーカーのものでした。ゼネラルプロダクツが発足したのは1982年。最初のラインナップはTシャツや、バキュームキットの「マーシャン・ウォーマシン」や「ロジャー・ヤング」といった、ずいぶん偏ったものでした。当時、海洋堂やボークスといったメーカーが既に活動していましたが、プラキャストのキットが中心で価格も一万円程度であり、高校生の私にはとても手が出るものではありませんでした。ところが、ゼネプロのガレージキットは他メーカーに比べてずいぶん安く、がんばれば何とか購入できるような価格帯でした。
 ゼネプロのキットには、ずいぶんお世話になりました。バキュームフォームのウルトラホーク1号や、ジェットビートル、メタルキットのパワードスーツ、そして、このペーパートイのメーザー車。また、今にして思えば「あのとき買っておけばよかった」というものも多くあります。







 さて、このメーザー車ですが、とにかくまず衝撃的なのは<紙>であることです。その上、シャレにならないディテールと精度。インストには、どこまで本気なのか牽引車にモーターを組み込んで動かす改造方法まで掲載されています。  購入したのは1984年頃、価格は1500円(!)でした。総パーツ数1169、1/48スケールとなっています。


 写真では少しわかりにくいかもしれませんが、牽引車のキャタピラは一枚一枚別パーツで、動輪のスプロケットがはまる穴まで空いています。(というか、一枚一枚のキャタピラを切り出して、スプロケットの穴をアートナイフであけたんですよね…) また、メーザー砲の車輪はトレッドパターンまで再現されています。
 細部のディテールも全て紙と竹ヒゴで再現されています。今にして思えば良く完成できたものです(まったく、若い頃は暇と無謀さだけは有り余っていたもので…)
 しかし、さすがに牽引車ができあがったあたりから気力が薄れてきて、メーザー砲はかなり手抜きになってしまったような記憶があります。本来なら、メーザー砲が上下に可動し、それにあわせてパラボラ部が正面を向くように可動するというギミックまでついていたのですが、それを再現することはできませんでした。(パラボラと砲身を結ぶスプリング部の紙細工に失敗しました)



 当時は、アニメーターの板野一郎氏も途中で投げ出して燃やしてしまったという話しがまことしやかにゼネプロの会報に掲載されていました。そういえば、同じ会報に、きちんと可動部まで再現させて完成させた作例の写真も掲載されていました。
 日本で何人ぐらいの人が完成させたか興味があるところです。


 ゼネプロのペーパーキットの第二弾としてウルトラ警備隊のポインターが1500円で発売されました。私も購入して途中まで作りましたが、さすがにそのときは気力が続かず、投げ出してしまいました。
 これは、ジャンクボックスの中から発掘されたポインターのなれの果てです。タイヤのトレッドパターンやサスペンション機構の再現、ドアの可動などやっぱり尋常でないディテールです。一度完成品を見てみたいものです。




不器用モデラーの展示室インデックスページへ

サイトのトップ Yamakenの自主制作映画ページ へ