天翔ける鋼の矢羽 MATアロー2号

 基本的にメカ好きであります。とりわけ無骨な特撮メカが大好きであります。

 とはいえ、怪獣に較べるとメカ物の処理は実に面倒くさいのでありまして…(「怪獣だって簡単じゃないやい!」と異論のある方もいらっしゃいましょうが)…何よりもペーパーがけがキライな私としましては、メカ物の完成品はあまり多くありません。

 ここでは、出来は今ひとつながらも特に愛着のあるマットアロー2号をご笑覧に供したいと思います。


 ウルトラホーク1号のところでも述べましたが、「帰ってきたウルトラマン」に登場した怪獣攻撃隊MATのメカは、数あるウルトラメカの中でも最も好きなものであります。

 とりわけ、独特のデザインと劇中で見せた機動性に惹かれてしまったのが、MATアロー2号でした。



 最近再評価されるようになったとはいえ、第二期ウルトラシリーズの宿命といいますか、以前はMATとそのメカに関しては、元祖やられ役防衛隊とか、いろいろと言われていました。しかし、科特隊やUGのようなエリートっぽさだけではなく、人間くさい部分が何よりMATの魅力であり、帰ってきたウルトラマンという作品を面白くしているのだと思います。また、MATメカのデザインはどれも現実感と虚構のかっこよさが適度にマッチしていて、実に魅力的に感じます。

 さて、MATメカで人気があるといえば、やはりアロー1号機でしょう。いかにも戦闘機然としたそのフォルムには、ジェットビートルやホーク1号とはまた違ったかっこよさがあります。次がジャイロでしょうか。作業支援/輸送に特化した機体として、なんだかとても説得力のあるメカでした。コスモスポーツことMATビハイクルも作品世界と妙にマッチした車でした。余談ながら、学生時代に近所の中古車やでコスモスポーツが100万円ほどの値段を付けられてしばらくの間展示されていました。あれは欲しかったなぁ… 今でも愛着のある方がいらっしゃるようで、一昨年長野で行われたSF大会に行った折りには、ちゃんとMAT塗装をしたコスモスポーツに乗っていらした参加者の方がありました。(2001年に行われた第40回日本SF大会では会場にそのマットビハイクルが展示してありました。別項の「SF大会衣裳展示レポート」の最後の方にその写真を掲載しておりますので、興味のある方はご覧下さい。)

 …なんというか、哀しいことにMATメカが語られるときには、たいていこの3点セットなんであります。最近発売されたガシャポンでもアロー1号とジャイロがセットでしたし…
 ところが、私はほとんど忘れ去られた存在となっているアロー2号機の大ファンなのであります。当時小学生になるかならないかの私は、小気味よいアクロバティックな飛行で怪獣と戦う姿に子供ながら惚れ込んでしまいました。ベムスターとの息詰まる空中戦。ゴキネズラを翻弄する伊吹隊長機。これがまた、カッコイイのであります。ここに「ワンダバ〜♪」がかかったりした日には、それだけでどんぶり飯3杯は行けますね。



 さて、かねてからMATメカ、とりわけアロー2号の模型が作りたいと思っていました。ところが、ガレージキットメーカーから発売されるのはビートルやウルトラホークばかり…仕方なく、15年ぐらい前にマルイのプラモデルが再販されたのをきっかけに、このキットを元に改造することにしたわけです。このマルイのプラモデル、小学生くらいの時に作った記憶があるのですが、ゼンマイで地上走行可能で、機体上部にはプーリーが取り付けられており、糸をはり渡せば空中も滑空できる(というか、綱渡りできる)というものでした。怪獣の絵が的としてついていました。1号、2号、ジャイロとそれぞれ発売されており、いずれも購入したのですが、さすがにギミック重視でディスプレイモデルにするにはかなりの改造が必要と思われました。

 しかし、このアロー2号はプロポーションはそこそこ良くて、ほとんど手を入れていません。スケールは1/72です。改造点は機体下部のゼンマイ穴ふさぎと、羽根を少し薄くしたぐらいだったように思います。ただし、どうも塗装は我ながら今ひとつでお恥ずかしい限りです。南隊員に塗ってもらえば、もっと見られるものになっていたかもしれません。



 最近の資料を見ると形状や塗装が違う部分もあったりして、機会があれば、再挑戦したいところです。

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